「いつがいい?」「どこがいい?」と訊いてはいけない
男女差恋愛学49。男性の恋愛編。筆者は既婚男性。
前回『女性は格下の男性を好きにならない』に続き、優しさが裏目に出る話です。デートに誘ってOKをもらったあと、「デートはいつがいい?」「デートコースや食事場所はどこがいい?」と訊いてはいけないんですよ。
「えっ? なんで? 相手の希望を訊いてて優しいじゃん」
提案してほしいんですよ。リードやエスコートができない男性も、女性は「頼りない」「自分を大事にしてくれない」と感じて格下だと認定します。
優しすぎる男レストラン
女性がレストランに入店。
「いらっしゃいませ。ご来店誠にありがとうございます。当店は『お客様に愛されるレストラン』を目指しております。お客様にご満足いただけるように尽力いたします。さて、どんなふうに接客すればよろしいでしょうか?」
「えっ?」
「行きつけのお店のようにフレンドリーに? それとも高級レストランのように厳粛に?」
「えっ、ふ、普通がいいです……」
「かしこまりました。お席をご案内いたします。この席でよろしいでしょうか? 空調の調節はよろしいですか? 飾っている絵画はこちらでよろしいですか? 外しましょうか?」
「い、いえ……(まあ、すごく丁寧なのかな……?)
「当店にはメニューがございません。なんでもご注文いただけます」
「えっ! なんでもですか?」
「はい。なんでも作ります。ご注文のあと食材を買ってきて調理いたします。お客様のご希望に添えるよう、細かい注文にも対応しております」
「得意な料理に特化して提供するほうがおいしいものを作れるのではないですか?」
「当店の方針をお話してよろしいですか?」
「どうぞ」
「例えばこのレストランをラーメン屋にしたらラーメンを食べたいお客様にしか喜んでいただくことができません。それではお客様に愛されるレストランを実現できません」
「自分の料理を食べてもらいたいと思ってレストランを開いたのではないのですか?」
「いえ、当店は『お客様に愛されるレストラン』、つまり『このレストランを好きになってほしい』という基本理念を元にしております。そのためにはお客様が求めるものにできる限り対応することで実現を目指しております」
「だから一々『どうしてほしいですか?』と訊いてくるのですね?」
「その通りです。お客様が何を求めているかを正確につかんで対応するためには、一々訊けば間違いがありません」
「でもお客さんはレストランそれぞれの個性を見て、そのレストランが提供する料理やサービスが好きで足を運ぶのではないですか?」
「自分の個性を好きになってもらえるとは限らないではありませんか。こちらが自発的にすることがお客様が求めていないことかもしれません」
「でも結果的に私はこのレストランを好きにはなれません」
「なぜですか!? 何か不手際がございましたか!?」
男性側の言い分
女性が行きたいお店、まして相手女性が行きたいお店や食べたい料理なんて分かる訳がない。自分の提案に「そこは嫌だ」と言われたら傷つく、評価が下がる。相手の希望を訊けば失敗はない。もし失敗しても相手が決めたので自分の責任にならない。自分で考えなくて済むので楽。
いつもファストフードしか食べないのでデート用のお店を知らない。知らないことを知られるのが恥ずかしい。提案するために下調べするのが面倒、恥ずかしい。
自分が強引に決めるのではなく、相手の意見を聞ける男だと示したい。希望を訊くほうが優しいと思っている。相手の好きなお店や料理を知りたい。
女性側の言い分
そういう失敗を恐れて保険をかけてるみたいなスタンスが頼りない。提案をする勇気がないのか。私に責任を負わせるのか。
訊いてくる時点でお前とのデートは楽しくなさそう、行く気をなくす。付き合っても楽しくなさそう。
好きでもない人とのデートなのに私が立案しないといけないの? 気を遣って「ここに行きたい」とか言いづらいし。私が計画したデートをそのままなぞって何が楽しいのか。仕方なく私が提案しても「俺そこは嫌だ」とか言ってきそう。
付き合っても結婚しても私がリードして、その都度イラっとしないといけないのか。私のほうが甘えたいのに。結婚して様々なライフイベントを全部「君の好きにしていいよ」と言ってきそう。家事・育児・家計管理も「君に任せるよ」と言ってきそう。この人と付き合う意味を見出せない。
私に好意があるならがんばれよ。一生懸命考えた提案をして、一生懸命デートして好かれようとしろよ。
相手にゆだねるのは優しさではなく甘え
相手に決めてもらうのが論理的・合理的には最適解に近づけるかもしれませんが、恋愛においては悪手です。論理の話ではなく女性の感情の話なので。どちらが正しいかではなく、デートをお願いしているのはこちらなので、相手が男性に決めてほしいと思っているならそれに合わせないとデートしてもらえません。
訊く男性側の心理は「好かれたい」よりも「嫌われたくない」のほうが大きいです。自尊心を傷つけたくない。「提案が好みじゃなかったらどうしよう」「行った先で失敗したらどうしよう」「リードが下手で嫌われたらどうしよう」 デートの成功よりも失敗の回避が目標になっています。
女性は最適解よりもあなたの個性や人間性を見たいと思っています。どんな提案をしてくれるんだろう。まだ知らないあなたを知りたい。どのぐらい私のことを意識していて、そして分かってくれているのだろう。私に未知の世界を教えてほしい。
「じゃあどうすればいいんですかッ!?」
詳しくは別稿に譲ります。ここで書いちゃうと明日それ実践するでしょう。違うんですよ。関係を築くのには順序があるんですよ。まずデートできる段階まで行かなきゃ誘い方が良くてもダメです。
恋愛に必要なのは戦略です。男女差を踏まえて恋愛戦略を考えていきましょう。
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※男女差は当てはまらないことが大いにあります。
※書いてある通りにしても良い結果になるとは限りません。筆者は責任を負いません。
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【雑記】
自分は「相手の意見を聞くことができる大人です」ということを示したいという意識がこうして「何がいい?」という質問になってしまうのです。
この状況においては「決断をしないで相手に意見を聞く」ということこそが状況を読めていない「わがままな立ち振る舞い」でしかありません。