高田机上育児談話 抱っこ

それでは、みなさんの育児力を測る質問をします。育児経験がない方も考えてみてください。

 

問:

2歳の子供を抱っこして立つ手順を説明しなさい。

 

おいおいそんなの簡単すぎだろ。しゃがんで、抱きしめて、立ち上がったら終わりじゃん。とか思ったでしょう。僕の考えを書かせてもらいます。

まず僕はうざったい人間なので、子供は男の子ですか?女の子ですか?2歳前半ですか?後半ですか?関係性は親子ですか?子供は何をしている状態ですか?直近3時間の行動は?抱っこする目的はなんですか?いいから早く書けよ。

 

高田机上の回答:

明るい声で「はーい、〇〇くーん、抱っこするよー」と声かけします。

しゃがんで両手を広げて子供に抱きついてもらいます。

僕なら右手で太もも、左手で背中を支えます。

抱っこへの拒否がないことを確認して立ち上がります。

 

解説します。

子供への声かけでまず大事なことは「怒ってないよ」と伝えることです。子供から怒っていると思われたら不穏になったり拒否が出るので、こちらの思うようにいかなくなります。怒っていないことを伝えるためにも、言葉数を少し多くして怒ってないことを分かってもらうようにします。

子供が何もしていないということはあまりなく、大体何かをしているので、いきなり「抱っこするよー」と言っても聞き取れなかったり、聞き逃したりします。なので最初に「はーい」と言って音としてこちらに注意を向けてもらいます。

「〇〇くーん」と言うことで、「これからあなたに指示を出します」ということを意思表示します。顔がこちらを向いているかを確認します。「抱っこするよー」と言って合意が取れそうか反応を見ます。

こちらから抱きついたら合意が取れているか分かりづらいですし、否応なく抱っこする形になってしまうので、子供に抱きついてもらいます。

すんなり抱きついてきてくれたらこれは合意が取れています。子供が何かをしていたり、抱っこが嫌だったりすると抱きついてこないので、抱っこする前に子供の言い分を聴いてあげて、こちらの目的を伝えて、抱っこの合意を取らないといけません。合意が取れないうちは抱っこしないほうがいいです。

抱っこで気をつけるのは子供が落ちないようにすることです。子供がのけぞったりこちらの顔や体を押したら落ちる危険があります。でも子供がそれをするのは抱っこへの拒否があるからです。しゃがんで抱っこした段階で、立ち上がっても大丈夫か確認してから立ち上がらないといけません。

抱っこしたときに何か違和感を感じないか観察します。オムツ交換が必要か服の上から触ったり嗅覚で確認します。体調が悪かったり熱がないか五感で確認します。


抱っこだけでこれだけ理屈があって根拠があるんですよ。保育士さんはすごく専門性の高い仕事をされているので待遇を良くしてください。

この理屈が分からなかったり特に何も考えない親は、子供が集中して遊んでいるところをうしろから無言で抱き上げたりしますよね。一発でギャン泣きしますよ。それを親が「言うことを聞かない」「イヤイヤ期か」「親を困らせる子」みたいな解釈をしたり。

自分の子供だと言えど、何歳であっても、1人の他人として尊重して接しないと育児はうまくいきません。

次回はギャン泣きの抱っこの仕方を教えます。

 

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高田机上のTwitter https://twitter.com/takatakijou